長野県の移住支援制度を調べてみた
長野県は移住希望地ランキングで常に上位に入る人気県です。東京から北陸新幹線で最短1時間10分、中央線特急で約2時間と首都圏へのアクセスも良好。北アルプス・中央アルプス・南アルプスの3つのアルプスに囲まれた自然豊かな県で、19の市があります。
長野県の特徴
- 面積: 約13,562 km²(全国4位)
- 人口: 約200万人(2025年時点)
- 市の数: 19市
- 地域区分: 北信(長野市周辺)、東信(上田・佐久周辺)、中信(松本・安曇野周辺)、南信(諏訪・伊那・飯田周辺)
- 気候: 内陸性気候。夏は涼しく冬は寒い。地域による差が大きい
- 移住人気: ふるさと回帰支援センター移住希望地ランキングで常にトップクラス
県レベルの移住支援制度
移住支援金(UIJターン就業・創業移住支援事業)
東京圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)、愛知県、大阪府からの移住者に対し、県と市町村が共同で移住支援金を交付しています。国の標準的な制度と違い、長野県は「東京23区に在住または通勤していたこと」を要件にしていません(県内で唯一、茅野市だけが東京23区型の要件を採用しています)。この対象地域の設定は、少なくとも令和6年度から令和8年度まで変わっていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単身 | 最大60万円 |
| 世帯(2人以上) | 最大100万円 |
| 子ども加算 | 18歳未満の子ども1人につき最大100万円 |
※ 県が示しているのは上限額で、実際の支給額は市町村によって異なります。県内19市の子ども加算は、100万円/人が15市、30万円/人が2市(駒ヶ根市・安曇野市)、20万円/人が1市(茅野市)、加算なしが1市(伊那市)です。基礎額も諏訪市は単身・世帯とも40万円、茅野市は単身10万円・世帯20万円と独自の設定になっています。
令和8年度は県内69市町村で実施されており、19市はすべて実施市町村に入っています。
主な条件:
- 直近10年間で通算5年以上、かつ直近1年以上連続して対象地域に在住・就労
- 子ども加算の対象は、申請年度の4月1日時点で18歳未満の世帯員を帯同して転入した場合
移住後の仕事による5つの申請区分(A〜E):
県の令和8年度パンフレットは、移住後の働き方によって申請区分をA〜Eの5パターンに分けています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| A 一般就業 | 県が運営するマッチングサイト(求人サイト)に掲載された求人に応募して県内企業等に就業 |
| B 専門人材 | 内閣府の「プロフェッショナル人材事業」または「先導的人材マッチング事業」を利用して県内企業等に就業 |
| C テレワーカー | 移住前の仕事をテレワークで継続(自己の意思による移住で、会社命令の転勤等ではないこと) |
| D 関係人口 | 移住先市町村の「関係人口」に該当する方が、マッチングサイトの掲載要件を満たす企業・「職場いきいきアドバンスカンパニー」認証企業・農林水産業を含む家業等に就業 |
| E 創業 | 県の創業支援金(ソーシャル・ビジネス創業支援金、最大200万円)の交付決定を受けた |
※ 県のパンフレットは区分Dについて「移住先市町村の『関係人口』であれば、『A』『B』以外の場合でも、長野県内の幅広い企業への就業が移住支援金の対象になります」と説明しています。マッチングサイトに求人が載っていない企業に就職する場合の受け皿になっている区分です。ただし区分の実施有無・要件は市町村によって異なるため、移住前に市町村への確認が必要です。
※ 当初調査(2026年3月)では、この区分をA・C・Eにあたる3つ(マッチングサイト経由の就業/テレワーク継続/創業)としか書いていませんでした。B(専門人材)とD(関係人口)が抜けており、対象になりうる方を実際より狭く見せる記述になっていました。2026年8月5日に県のパンフレットで確認して訂正しました。
- 情報源: 長野県 UIJターン就業・創業移住支援事業のご案内
- 情報源: 長野県 UIJターン就業・創業移住支援事業実施市町村情報(令和8年度)
- 情報源: 長野県 UIJターン就業・創業移住支援金のご案内(令和8年度パンフレット・PDF)
- 調査日: 2026年8月5日
移住学生支援金(長野県就職・移住学生支援事業)
移住支援金とは別枠で、東京圏の大学生等が県内企業に就職して長野県に移住する場合に、採用面接の交通費と引越しの経費を補助する制度があります。令和8年度の実施は県内11市町村で、市は岡谷市・諏訪市・駒ヶ根市・茅野市の4市です(ほかに佐久穂町・富士見町・喬木村・生坂村・朝日村・坂城町・信濃町)。
県が示している枠組み:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 交通費 | 内定先企業の採用面接等に要した往復交通費1回分の2分の1以内(最大8,500円) |
| 移転費 | 移住に要した最低限の実費であることを証明できる場合は実費(上限16万円)。証明できない場合は定額66,000円 |
主な条件:
- 東京都内に本部を置く大学等の東京圏内(条件不利地域を除く)のキャンパスに原則4年以上在学し、卒業・修了していること
- 卒業・修了年度に東京圏内に継続して在住していたこと
- 勤務地が長野県内にあり、週20時間以上の無期雇用契約に基づく就業であること
- 卒業・修了日から1年以内かつ就業開始日から1年以内に申請すること(10月1日以降に採用内定を得ることで申請可能)
- この事業と趣旨を同じくする国または県の事業による補助金等を受給していないこと(移住支援金との併給は不可)
※ 金額は市町村によって異なります。 県のページ自身が「移住学生支援金の事業開始、支給額等制度の内容は市町村によって異なりますので、各市町村へお問合せください」と明記しており、実際に4市のうち2市は上の枠組みと違いました。諏訪市は移転支援金の上限が66,000円のみで16万円の枠がありません。駒ヶ根市は交通費だけの制度で、移転費の項目自体がありません。茅野市・岡谷市は県の枠組みどおりです(各市の実額は各市ページに記載しました)。
※ この制度は当初調査(2026年3月)では取り上げていませんでした。2026年8月5日に追記しています。
- 情報源: 長野県就職・移住学生支援事業のご案内
- 情報源: 長野県就職・移住学生支援事業 市町村担当窓口等(令和8年度実施市町村・PDF)
- 調査日: 2026年8月5日
楽園信州(県公式移住ポータル)
長野県の移住情報は「楽園信州」にまとまっています。市町村の情報、支援制度一覧、お試し住宅、イベント情報、空き家バンク等を掲載。
- 楽園信州: https://www.rakuen-shinsyu.jp/
- 空き家バンク: https://rakuen-akiya.jp/
東京からのアクセス
長野県は南北に長く、地域によってアクセスが大きく異なります。
北陸新幹線沿線(北信・東信):
- 長野市: 東京駅から約1時間20分
- 上田市: 東京駅から約1時間30分
- 佐久市: 東京駅から約1時間10分
- 飯山市: 東京駅から約1時間50分
中央線特急あずさ沿線(中信・諏訪):
- 松本市: 新宿から約2時間30分
- 諏訪市: 新宿から約2時間10分
- 茅野市: 新宿から約2時間
南信(高速バス中心):
- 伊那市: 新宿から高速バスで約3時間30分
- 飯田市: 新宿から高速バスで約4時間(リニア中央新幹線の駅設置予定)
調査済みの市区町村
順次追加していきます。