子育て世帯の移住、支援はどれくらい違う?
子どもがいる世帯にとって、移住先の子育て支援は最も気になるポイントの一つです。792市を調べてみたら、自治体によって支援の手厚さにかなりの差があることが分かりました。
移住支援金の「子ども加算」に差がある
国の移住支援金には、18歳未満の子ども1人あたりの加算金があります。2023年度から100万円に引き上げられたのですが、すべての自治体が100万円というわけではありません。
| 子ども加算額 | 該当自治体 |
|---|---|
| 100万円/人 | 大多数の自治体 |
| 30万円/人 | 笛吹市、駒ヶ根市、坂出市 |
| 20万円/人 | 茅野市 |
たとえば子ども2人の世帯で比較すると、100万円の自治体なら加算だけで200万円、30万円の自治体なら60万円。同じ制度なのに140万円の差が出ます。移住先候補を比べるとき、子ども加算の金額は必ず確認すべきポイントです。
子どもの医療費助成 — 「何歳まで」が自治体で違う
子どもの医療費助成は、ほぼすべての自治体が何らかの形で実施しています。ただし対象年齢が違います。
| 対象年齢 | 傾向 |
|---|---|
| 15歳(中学卒業)まで | 以前は多かったが、今は拡大傾向 |
| 18歳(高校卒業)まで | 現在最も多いパターン。全国的に拡大中 |
| 22歳まで | 一部の自治体。大学生世代まで対象 |
792市を調べた中で印象的だったのは、**鳥取県では全4市で18歳以下が完全無償化(所得制限なし)**になっていること。県の施策として統一的に手厚い対応をしている好例です。
山口県も全13市で18歳までこども医療費無料を実現しています。
保育料の無償化・軽減
保育料は国の制度で3〜5歳が無償化されていますが、0〜2歳の保育料については自治体間で大きな差があります。
特徴的な自治体をいくつか紹介します。
- 備前市(岡山県): 0〜5歳の保育料が完全無償化。県内で最も手厚い
- 明石市(兵庫県): 「5つの無料化」で全国的に注目。第2子以降の保育料無料を早期から実施
- 志摩市(三重県): 給食費無償化+保育料軽減のパッケージ
出産祝い金・子育て応援金
出産時の祝い金や応援金も自治体によってバラバラです。
| 自治体 | 制度内容 |
|---|---|
| 志摩市 | 出産祝金20万円+給食費無償+家賃補助+奨学金返済支援のフルパッケージ |
| 四万十市(高知県) | 出産祝い金あり+独自の子育て支援 |
| 明石市 | 5つの無料化(医療費・保育料・給食費・おむつ・遊び場) |
| 四国中央市(愛媛県) | 紙おむつ無償支給(紙の町ならでは) |
四国中央市の紙おむつ支給は、日本一の紙産業の町ならではのユニークな施策で、調べていて思わず笑ってしまいました。
地域による傾向
792市を調べてみて感じた地域的な傾向です。
子育て支援が手厚い傾向の地域:
- 四国: 空き家バンク100%に加え、移住者向けの子育てパッケージが充実
- 東北: 人口減少への危機感が強く、子ども加算や独自の子育て支援に積極的
- 中部: 長野・山梨を中心に、自然環境と子育て支援を組み合わせたアピール
- 中国: 鳥取県・島根県は少子化対策として医療費・保育料の無償化が進む
子育て支援が少なめの傾向の地域:
- 関東の都市部: 東京都多摩地域・埼玉県・神奈川県は、人口流入があるため積極的な施策が少ない
- 大阪府: 33市中、独自の子育て移住支援を打ち出している市は少数
「子育て世帯が移住するなら」のチェックリスト
792市を調べた経験から、子育て世帯が移住先を比較する際に見るべきポイントをまとめました。
- 移住支援金の子ども加算額 — 100万円か、それ以外か
- 医療費助成の対象年齢 — 18歳まで無料か、所得制限はあるか
- 保育料 — 0〜2歳の負担額、第2子以降の減免
- 給食費 — 無償化している市が増えている
- 通学環境 — 学校の数と距離、スクールバスの有無
- 小児科・産婦人科の数 — 地方は医療機関が少ないことがある
- 子育て世代の移住実績 — 先輩移住者がいると心強い
調べてみて分かったこと
- 子ども加算は100万円が主流だが、20〜30万円の自治体もある。 子ども2人で100万円以上の差になる
- 医療費助成は18歳まで無料が増加中。 鳥取県・山口県は全市で実現
- 「5つの無料化」の明石市は全国的に突出。 他の自治体も追随する動きがある
- 保育料の0〜2歳が無償の市は少数。 ここが今後の差別化ポイントになりそう
- 子育て支援は「一つの制度」ではなく「パッケージ」で見る。 支援金+医療費+保育料+給食費の合計で比較すべき
子育て世帯の移住は「支援金額が一番大きいところ」ではなく、「子どもが大きくなるまでの総合的なサポート」で選ぶのがいいのかなと思いました。支援金は一度きりですが、医療費や保育料は毎年かかるものなので。
※ この記事は個人の調査に基づくものです。制度の詳細や最新情報は、必ず各自治体の公式ページでご確認ください。 ※ 調査データは2026年4月時点のものです(47都道府県792市)。