住宅は移住最大のコスト
移住で最もお金がかかるのは住宅です。47都道府県792市を調べてみると、住宅に関する支援制度は自治体によって内容も金額も大きく違うことが分かりました。ここでは住宅取得補助・リフォーム補助・家賃補助の3つの切り口で、手厚い自治体を探してみました。
住宅取得補助が高額な自治体
新築または中古住宅の購入に対する補助金です。金額の大きい自治体をピックアップしました。
| 自治体 | 制度名・内容 | 上限額 |
|---|---|---|
| 美祢市(山口県) | 住宅取得補助金 | 最大300万円 |
| 加西市(兵庫県) | 各種住宅補助の合計 | 最大約230万円 |
| 横浜市(神奈川県) | 省エネ住宅補助 | 最大150万円 |
| 春日井市(愛知県) | 空き家付き土地購入補助金 | 最大170万円 |
| 国東市(大分県) | マイホーム奨励金 | 最大150万円 |
| 大月市(山梨県) | 中古住宅取得助成金 | 最大150万円 |
| 薩摩川内市(鹿児島県) | 住宅取得補助 | 最大150万円 |
| 匝瑳市(千葉県) | マイホーム取得奨励金(新築) | 最大100万円 |
| 青梅市(東京都) | 独自移住支援金 | 最大100万円 |
| 真岡市(栃木県) | 奨学金返還支援+住宅取得支援 | 最大200万円 |
美祢市の300万円は今回の調査で最高額でした。美祢市は山口県の内陸部にあり、人口減少対策として積極的な住宅支援を行っています。
北海道・九州で目立つ傾向: 全国47都道府県を調べてみると、北海道は広大な土地を活かした住宅支援(土地の無償提供も一部あり)、九州は薩摩川内市・国東市・都城市のように移住実績とセットで住宅支援を手厚くしている自治体が多い印象でした。
リフォーム補助が手厚い自治体
空き家バンク物件のリフォームや、中古住宅の改修に対する補助です。「空き家 補助金」「リフォーム補助金」で検索する方が多いテーマです。
| 自治体 | 上限額 | 補助率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 吉野川市(徳島県) | 最大320万円 | — | 調査した中で最高額 |
| 室戸市(高知県) | 最大240万円 | 100% | 自己負担ほぼゼロ |
| 佐久市(長野県) | 最大240万円 | 2/3以内 | 地域活性化施設10年以上使用が条件 |
| 土佐清水市(高知県) | 最大210万円 | 100% | 自己負担ほぼゼロ |
| 白山市(石川県) | 最大200万円 | — | 白山麓地域の空き家活用 |
| 静岡市(静岡県) | 最大200万円 | 2/3以内 | 移住者・子育て世帯(通常は100万円) |
| 上越市(新潟県) | 最大200万円 | 2/3 | — |
| 南丹市(京都府) | 最大200万円 | — | 緊急区域は補助率アップ |
| 飛騨市(岐阜県) | 最大200万円 | — | 包括的移住パッケージの一部 |
| 萩市(山口県) | 150〜200万円 | — | 55歳以下 or 子ども世帯 |
| 名張市(三重県) | 最大145万円 | — | 空家リノベーション補助 |
高知県の室戸市・土佐清水市は改修費の100%補助(上限あり)で、持ち出しがほぼゼロになるケースも。空き家バンクを使ったリフォーム移住を考えるなら、補助率と上限額の両方を確認するのがポイントです。
空き家リフォーム補助金の仕組みや注意点については「空き家バンクとは何か」で詳しくまとめています。
家賃補助がある自治体
賃貸で移住する場合の家賃補助です。持ち家取得に比べると制度を設けている自治体は少ないですが、探すとあります。
| 自治体 | 内容 |
|---|---|
| 土佐市(高知県) | 家賃支援月2万円 |
| 倉吉市(鳥取県) | 家賃補助月1万円+住宅取得100万円 |
| 和泉市(大阪府) | 南部地域定住補助(家賃含む最大130万円) |
| 志摩市(三重県) | 子育て世帯向け家賃補助 |
| 萩市(山口県) | 家賃補助月1〜2万円(最大2年間) |
| 川口市(埼玉県) | 若年者家賃補助月1万円×最長3年 |
家賃補助は月額では少額に見えますが、年間で12〜24万円。5年住み続ければ60〜120万円で、住宅取得補助に匹敵する金額になります。「まずは賃貸で試してから定住を決める」タイプの移住には、家賃補助のほうが使いやすいこともあります。
空き家バンクの普及率を地域別に見る
住宅支援の基盤となる空き家バンクの普及率も地域で差があります。
| 地域 | 運営あり | 全市数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 四国 | 38市 | 38市 | 100% |
| 中国 | 53市 | 54市 | 98% |
| 中部 | 156市 | 164市 | 95% |
| 東北 | 69市 | 77市 | 90% |
| 九州・沖縄 | 100市 | 119市 | 84% |
| 北海道 | 29市 | 35市 | 83% |
| 近畿 | 88市 | 125市 | 70% |
| 関東 | 111市 | 180市 | 62% |
四国は全38市で100%。空き家バンク+リフォーム補助の組み合わせが最も使いやすい地域と言えます。香川県は「かがわ住まいネット」で全市の空き家情報を統合しており、横断的に検索できるのが便利です。
住宅支援の「合わせ技」で見る
移住支援金+住宅取得補助+リフォーム補助を合わせると、合計額がかなり大きくなる自治体があります。
飛騨市(岐阜県)の場合:
- 移住支援金(世帯100万円+子ども加算)
- 空き家改修補助(最大200万円)
- さるぼぼコイン奨励金
- 移住見学・宿泊・引越し費用補助
- → 子ども2人の世帯で500万円以上の支援
静岡市(静岡県)の場合:
- 移住者住宅確保応援補助金(東京圏から最大400万円)
- 移住・就業補助金(最大100万円+子ども加算)
- 空き家改修補助金(最大200万円)
- 就職応援補助金(50万円)
- → 条件が合えば700万円以上の支援
支援の合計額ランキングは「移住支援の合計額が大きい自治体ランキング」にまとめています。
注意点
住宅支援を比較するときに気をつけるべき点です。
「最大○万円」は条件付き: 補助金の上限額は「すべての条件を満たした場合の最大値」であることが多いです。実際にもらえる金額は、物件価格や工事費、家族構成などによって変わります。
併用不可の制度がある: 移住支援金と住宅取得補助を両方もらえない自治体もあります。「どちらか一方を選択」というケースがあるので、事前に確認が必要です。
年度で変わる: 住宅関連の補助金は年度ごとに予算枠があり、年度途中で終了することがあります。特に人気のある制度は早期に枠が埋まることも。
「空き家バンク経由」条件: リフォーム補助金は「空き家バンクに登録された物件」であることが条件の自治体がほとんどです。先に個人間売買してしまうと対象外になるので、順番に注意。
調べてみて分かったこと
- 住宅取得補助は美祢市の300万円が最高額。 100万円以上の自治体は全国に複数ある
- リフォーム補助は高知県が突出。 改修費100%補助(上限あり)の自治体がある
- 家賃補助は少数派だが、長期で見れば大きい。 月2万円×5年=120万円
- 空き家バンクの運営率は四国100%、関東62%。 地域差が大きい
- 合わせ技で700万円超も理論上は可能。 ただし条件と併用制限に注意
住宅は一番大きな出費なので、移住先を選ぶときは支援金だけでなく住宅関連の補助も合わせて比較することをおすすめします。各市の具体的な住宅支援は都道府県一覧から各市のページで確認できます。
※ この記事は個人の調査に基づくものです。制度の詳細や最新情報は、必ず各自治体の公式ページでご確認ください。 ※ 調査データは2026年4月時点のものです(47都道府県792市)。