「引っ越し 補助金」で検索する人が多い
「○○市 引っ越し 補助金」というキーワードで検索する人が多いことに気づきました。移住を考えるとき、引っ越し費用は確実にかかるコストなので、補助があるか気になるのは当然です。
47都道府県792市を調べた結果を率直に言うと、引っ越し費用そのものを補助する自治体は少数派です。でもゼロではない。また、名前は違っても実質的に引っ越し費用に充てられる制度もあります。整理してまとめました。
引っ越し費用を直接補助する自治体
「引っ越し費用補助」「引越し支援事業」として明示的に制度化している自治体です。
| 自治体 | 制度名 | 内容 |
|---|---|---|
| 鹿角市(秋田県) | ふるさとライフ引越し支援補助金 | 市外からの転入者の引っ越し費用を補助 |
| 上山市(山形県) | 若者移住引越し補助 | 若者の移住時の引越し費用補助 |
| 田村市(福島県) | Uターン引越し支援 | 田村市出身者のUターン時の引越し費用 |
| 砺波市(富山県) | 移住・定住引越し支援事業補助金 | 市外からの移住者の引越し費用を補助 |
| 飛騨市(岐阜県) | 引っ越し費用補助 | 包括的移住パッケージの一部。見学→宿泊→引越しまで一貫支援 |
| 四万十市(高知県) | UIJターン促進引越支援事業 | UIJターン者の引越し費用を支援 |
東北・北陸に多い傾向があります。遠方からの移住者を呼び込むために、距離のハードルを下げる意図が見えます。
転入奨励金・定住奨励金(実質的に引っ越し費用に使える)
「引っ越し補助」という名前ではないものの、転入時にもらえる奨励金として引っ越し費用に充てられるお金がある自治体もあります。使途の制限がないため、引越し費用に使うも住宅費用に使うも自由です。
| 自治体 | 制度名 | 金額 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 鳥取市(鳥取県) | 転入若者奨励金 | 5〜10万円 | 39歳以下の若者夫婦・子育て世帯 |
| 佐野市(栃木県) | 転入奨励金 | — | 若者夫婦・子育て世帯が住宅取得して転入 |
| 坂東市(茨城県) | 転入子育て世帯奨励金 | — | 子育て世帯が住宅取得して転入 |
| 深谷市(埼玉県) | 引越支援 | 3万ネギー(地域通貨) | ユニークな地域通貨での支給 |
| 高知市(高知県) | 転入費用+定住費用補助 | 上限15万円 | 県外→三世代同居の子育て世帯 |
新婚世帯向けの引っ越し費用補助
結婚新生活支援事業(国の補助事業)を実施している自治体では、新婚世帯の引越し費用+住居費用を補助してもらえます。
- 対象: 婚姻届を出した新婚世帯(年齢・所得要件あり)
- 補助内容: 住居費(家賃、敷金・礼金等)+引越し費用
- 上限: 30万円〜60万円(自治体による)
新婚かつ移住のタイミングが重なる場合は、移住支援金とこの制度の両方を申請できる可能性があります。実施自治体は年度ごとに変わるので、各市の公式ページで確認してください。
移住支援金は「引っ越し費用」に使える
ここが最も重要なポイントです。
国の移住支援金(単身60万円・世帯100万円+子ども1人あたり100万円)は、使途の制限がありません。「引っ越し費用に使ってはいけない」というルールはないので、実質的に引っ越し費用をカバーする最大の制度です。
| 世帯構成 | 移住支援金 | 引っ越し費用目安 | カバー率 |
|---|---|---|---|
| 単身 | 60万円 | 10〜20万円 | 全額カバー+余り |
| 夫婦 | 100万円 | 20〜35万円 | 全額カバー+余り |
| 夫婦+子2人 | 300万円 | 30〜50万円 | 全額カバー+余り |
つまり、移住支援金の対象地域(792市中617市=78%)に移住する場合は、引っ越し費用は実質的に支援金でカバーできるわけです。
移住支援金の仕組みと条件は「移住支援金の仕組みを調べてみた」で詳しくまとめています。
移住支援金の対象外でも使える制度
東京都内間の引っ越しや、大阪府内の転居など、移住支援金の対象外のケースもあります。そういう場合に使える制度をまとめました。
自治体独自の転入支援:
住宅取得時の支援: 住宅を購入する場合、引っ越し費用よりはるかに大きい住宅取得補助を出す自治体があります。たとえば美祢市(山口県)の住宅取得補助は最大300万円。詳しくは「住宅取得補助が手厚い自治体ランキング」を参照。
引っ越し費用を安くするコツ
制度とは別に、引っ越し費用そのものを安くする方法もあります。792市の調査中に見聞きした情報も含めてまとめます。
時期をずらす: 3〜4月の繁忙期は料金が1.5〜2倍。5月以降や秋口が最も安い。移住支援金の申請は転入後でもOKなので、引っ越しの時期は自由に選べます。
お試し移住を活用: 288市(36%)がお試し移住制度を持っています。体験住宅に一時滞在しながら住まいを探せば、「仮住まい→本住まい」の二重引っ越しを避けられます。お試し移住については「お試し移住制度がある自治体」を参照。
荷物を減らす: 当たり前ですが効果は大きい。地方の家は広いことが多いので、家具・家電は現地で安く買えることも。
調べてみて分かったこと
- 引っ越し費用を直接補助する自治体は少数派。 ただしゼロではない(鹿角市・飛騨市・四万十市など)
- 移住支援金が実質的な引っ越し費用カバー。 使途制限なし、単身でも60万円
- 転入奨励金・新婚支援も活用可能。 名前は違うが引っ越し費用に充てられる
- 支援金対象外エリアでも独自制度がある市がある。 青梅市・泉佐野市など
- 繁忙期を避けるだけで数万〜十数万円の差。 制度だけでなく時期の工夫も大事
「引っ越し補助金」をピンポイントで探すより、移住支援制度を総合的に見るほうが、結果的にカバーできる金額は大きくなります。各市の支援制度は都道府県一覧から確認できます。
※ この記事は個人の調査に基づくものです。制度の詳細や最新情報は、必ず各自治体の公式ページでご確認ください。 ※ 調査データは2026年4月時点のものです(47都道府県792市)。