「東京圏から」以外はダメなのか?
国の移住支援金は「東京23区に住んでいた(または通勤していた)人が地方に移住する」のが基本条件です。でも日本の人口のうち東京圏は約3割。残りの7割の人は移住支援金の対象外なのでしょうか?
792市を調べてみると、東京圏以外からの移住にも独自の支援金を出している自治体が見つかりました。
福島県12市町村 — 全国どこからでも対象
最も手厚いのが福島県の原発事故による避難指示が出ていた12市町村です。
| 区分 | 通常の移住支援金 | 12市町村の支援金 |
|---|---|---|
| 世帯 | 100万円 | 200万円 |
| 単身 | 60万円 | 120万円 |
| 対象 | 東京圏から | 全国どこからでも |
南相馬市や田村市など、福島の12市町村は日本全国どこからの移住でも支援金の対象になります。大阪からでも名古屋からでも、条件を満たせば最大200万円。
しかも通常の移住支援金と併用できるケースもあり、東京圏からの移住なら合計300万円になる可能性もあります。
岐阜県 — 清流の国ぎふ移住支援補助金
岐阜県は「清流の国ぎふ移住支援補助金」という県独自の制度があります。
- 対象: 東京圏に限らず、全国からの移住者
- 金額: 世帯50万円、単身30万円
- 条件: 岐阜県への移住+就業など
国の移住支援金が東京圏限定なのに対し、岐阜県は関西や名古屋からの移住にも対応しています。これは大きな差別化ポイントです。
飛騨市のように、この県補助金と市独自の支援(空き家改修補助最大200万円、さるぼぼコイン奨励金など)を組み合わせると、パッケージ全体がかなりの金額になります。
福井県 — 幅広い対象者
福井県も東京圏以外からの移住支援に積極的です。幸福度ランキング常連の福井県は、移住支援金の対象を比較的広く設定しています。
北陸新幹線の敦賀延伸(2024年3月)でアクセスも改善されており、関西圏からの移住も視野に入れた施策を展開しています。
山口県 — 東京圏以外にも拡大
山口県は移住支援金の対象を東京圏以外(中部・関西・広島・福岡など)にも拡大しています。
山口県は地理的に関西と九州の間に位置するため、「東京圏から」という条件だけでは移住者を十分に集められないという判断があるのかもしれません。全13市で18歳までこども医療費無料を実現しており、子育て世帯へのアピールも強いです。
徳島県 — 大阪圏からの移住支援
徳島県は四国で唯一、大阪圏からの移住にも支援金(世帯50万円、単身30万円)を出しています。
徳島は大阪から高速バスで約2.5時間。淡路島経由で比較的アクセスしやすく、大阪圏からの移住ニーズを取り込む戦略です。
なぜ「東京圏限定」が多いのか
ここで少し制度の背景を整理します。
国の移住支援金が「東京圏→地方」に限定されているのは、東京一極集中の是正が政策目的だからです。地方から地方への移動(例: 大阪→高知)は「一極集中の是正」にはカウントされないため、国の制度の対象外になっています。
しかし現実には、移住者の出身地は東京圏に限りません。大阪や名古屋から地方に移住したい人もたくさんいます。そこで一部の自治体が自腹で(県の予算で)全国対象の制度を作っているというのが現状です。
東京圏以外の人が使える支援の探し方
国の移住支援金がもらえなくても、使える制度はあります。
1. 県独自の移住支援補助金を確認 岐阜県、福井県、山口県、徳島県のように、県レベルで独自制度を持っているケースがあります。
2. 住宅支援を重点的に探す 住宅取得補助やリフォーム補助は、移住支援金と違って移住元を問わない制度が多いです。美祢市(山口県)の300万円や室戸市(高知県)のリフォーム補助100%などは、東京圏からでなくても使えます。
3. 空き家バンクを活用 空き家バンクも出身地を問いません。644/792市(81%)が運営しているので、選択肢は広いです。
4. お試し移住を利用 お試し移住制度も出身地の制限はほとんどありません。288/792市(36%)が制度あり。
調べてみて分かったこと
- 福島12市町村は全国どこからでも対象。 最大200万円で最も手厚い
- 岐阜・福井・山口・徳島が東京圏以外にも独自支援。 県の予算で全国対象の制度を運用
- 住宅支援やリフォーム補助は移住元を問わない制度が多い。 移住支援金がなくても使える
- 空き家バンク・お試し移住も出身地不問。 移住支援金以外の支援は意外と開かれている
- 「東京圏限定」は国の制度の制約。 自治体レベルでは徐々に対象を広げる動きがある
「東京圏以外からだと何ももらえない」と思い込んでいる人が多いのですが、実際はそうでもありません。移住支援金だけにこだわらず、住宅支援や子育て支援まで含めて広く探すと、使える制度は見つかります。
※ この記事は個人の調査に基づくものです。制度の詳細や最新情報は、必ず各自治体の公式ページでご確認ください。 ※ 調査データは2026年4月時点のものです(47都道府県792市)。