空き家のリフォーム補助金、自治体でこんなに違う
空き家バンクで物件を見つけても、多くの場合リフォームが必要です。築30年、40年の物件も珍しくなく、住めるようにするには数百万円かかることも。
そこで頼りになるのが自治体の**リフォーム補助金(空き家改修補助金)**です。47都道府県792市を調べてみたら、上限額が50万円の自治体もあれば300万円超の自治体もある。しかも補助率(工事費の何割を出してくれるか)まで違う。この記事では、特に手厚い自治体をランキング形式でまとめました。
上限額ランキング TOP15
| 順位 | 自治体 | 上限額 | 補助率 | 条件・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 吉野川市(徳島県) | 最大320万円 | — | 調査した中で最高額 |
| 2 | 室戸市(高知県) | 最大240万円 | 100% | 自己負担ほぼゼロ |
| 2 | 佐久市(長野県) | 最大240万円 | 2/3 | 地域活性化施設として10年以上使用 |
| 4 | 土佐清水市(高知県) | 最大210万円 | 100% | 自己負担ほぼゼロ |
| 5 | 白山市(石川県) | 最大200万円 | — | 白山麓地域の空き家活用 |
| 5 | 静岡市(静岡県) | 最大200万円 | 2/3 | 移住者・子育て世帯・40歳未満(通常100万円) |
| 5 | 上越市(新潟県) | 最大200万円 | 2/3 | — |
| 5 | 南丹市(京都府) | 最大200万円 | — | 緊急区域は補助率アップ |
| 5 | 飛騨市(岐阜県) | 最大200万円 | — | 包括的移住パッケージの一部 |
| 10 | 萩市(山口県) | 150〜200万円 | — | 55歳以下 or 子ども世帯 |
| 11 | 名張市(三重県) | 最大145万円 | — | 空家リノベーション補助 |
| 12 | 丹波篠山市(兵庫県) | 最大126万円 | — | 40歳以下+配偶者 or 子ども |
| 13 | 柏崎市(新潟県) | 最大125万円 | — | 県外転入者。子育て・若者加算あり |
| 14 | 佐渡市(新潟県) | 最大120万円 | — | 若者・子育て世帯は上限アップ |
| 15 | 宇治市(京都府) | 上限100万円+加算25万円 | 1/2 | 加算で最大125万円 |
補助率100%の自治体
上限額だけでなく補助率も重要です。工事費の何割を自治体が負担してくれるかで、実際の持ち出しが大きく変わります。
| 補助率 | 傾向 |
|---|---|
| 100% | 高知県の一部。自己負担ほぼゼロ |
| 2/3(67%) | 手厚い。静岡市・上越市・佐久市など |
| 1/2(50%) | 最も多いパターン |
| 1/3以下 | 少額。リフォームの足しになる程度 |
補助率100%は高知県が突出しています。 室戸市(上限240万円)と土佐清水市(上限210万円)は工事費全額を補助。過疎化が深刻な地域ならではの思い切った施策です。
200万円のリフォーム工事なら:
- 補助率100%(室戸市)→ 自己負担 0円
- 補助率2/3(静岡市)→ 自己負担 約67万円
- 補助率1/2(多くの自治体)→ 自己負担 100万円
同じ工事でも100万円の差が出ます。
地域別の傾向
792市を調べて感じた、リフォーム補助金の地域的な傾向です。
手厚い地域:
- 高知県: 補助率100%の自治体がある。四国全体でも空き家バンク100%と組み合わせが良い
- 新潟県: 上越市200万円、佐渡市120万円、柏崎市125万円。県外からの転入者を優遇する段階式が特徴
- 山口県: 萩市150〜200万円、美祢市は住宅取得補助300万円
- 京都府北部: 南丹市200万円、宮津市も空き家活用に積極的
標準的(50〜100万円):
- 東北: 多くの市が100万円前後。堅実な水準
- 中部: 長野県・岐阜県が手厚い。愛知県は少ない
- 北海道: 空き家バンクの改修補助は全般的に控えめ
少ない地域:
- 関東都市部: そもそも空き家バンクがない市が多い
- 大阪府: 空き家バンクが10/33市のみ。補助金も限定的
- 沖縄県: 空き家バンクが2/11市のみ
申請の注意点
リフォーム補助金を使うときに知っておくべきポイントをまとめます。
「空き家バンク経由」が必須条件
ほとんどの自治体で、補助金は空き家バンクに登録された物件であることが条件です。
- 空き家バンクで物件を見つける → 取得する → リフォーム補助を申請する
- 先に物件を買ってしまうと補助金が使えない
順番が大事です。 先に不動産会社経由で空き家を購入してから「補助金を申請したい」と言っても対象外になるケースが多い。
市内業者への発注が条件
多くの自治体で「工事は市内の業者に発注すること」が補助金の条件になっています。地元経済の活性化という目的もあるためです。市外の業者に頼むと補助金がもらえないので、事前に確認しましょう。
居住年数の条件
「○年以上居住すること」が条件の自治体が多いです。
- 3年以上居住(多い)
- 5年以上居住(厳しめ)
- 10年以上(佐久市など特定用途)
途中で転居すると補助金の返還を求められることもあります。
工事費の最低額
「工事費○万円以上」が条件の自治体もあります。たとえば「工事費20万円以上が対象」「工事費100万円以上が対象」など。少額のリフォームだと対象外になることがあります。
年度予算の上限
補助金は年度ごとの予算枠内で支給されます。人気のある制度は年度途中で予算上限に達して受付終了になることも。年度初め(4〜5月)に申請するのが確実です。
空き家リフォーム補助金 + 移住支援金の合わせ技
リフォーム補助金と移住支援金は別の制度なので、条件を満たせば両方もらえます。
たとえば子ども2人の世帯が静岡市に移住する場合:
| 制度 | 金額 |
|---|---|
| 移住支援金(世帯) | 100万円 |
| 子ども加算(2人) | 200万円 |
| 移住者住宅確保応援補助金 | 最大400万円 |
| 空き家改修補助金 | 最大200万円 |
| 合計 | 最大900万円 |
もちろんすべての条件を満たすのは簡単ではありませんが、制度を組み合わせることで移住コストの大部分をカバーできる可能性があります。
支援の合計額で見たランキングは「移住支援の合計額が大きい自治体ランキング」にまとめています。
調べてみて分かったこと
- 上限額は吉野川市の320万円が最高。 200万円超の自治体が全国に10市以上ある
- 補助率100%は高知県が突出。 室戸市・土佐清水市は自己負担ほぼゼロ
- 同じ県内でも3〜4倍の差がある。 隣の市で全然違うので比較は必須
- 「空き家バンク経由」が条件。 順番を間違えると補助金がもらえない
- 移住支援金と組み合わせ可能。 合計で数百万円の支援も理論上あり得る
空き家リフォーム補助金は、移住の住宅コストを大きく下げる有力な制度です。ただし「上限額が高い=お得」とは限らず、補助率・条件・居住義務も含めて総合的に判断するのが大切です。
各市の具体的な補助金額と条件は都道府県一覧から各市のページで確認できます。
※ この記事は個人の調査に基づくものです。制度の詳細や最新情報は、必ず各自治体の公式ページでご確認ください。 ※ 調査データは2026年4月時点のものです(47都道府県792市)。