792市調べていると変わった制度に出会う
移住支援金、空き家バンク、お試し移住——これらは多くの自治体にある「定番」の制度です。でも792市も調べていると、「えっ、こんな制度あるの?」と驚くようなユニークな支援制度に出会います。そんな面白い制度を集めてみました。
食の支援
山形県の「米・味噌・醤油1年分」
山形県の一部の市では、移住者に米・味噌・醤油を1年分支給する制度があります。山形は食料自給率が高く、特に米の生産が盛ん。「まず食べるものは心配しなくていいですよ」というメッセージがこの制度に込められている気がします。
移住直後の出費が多い時期に、食費の負担が軽減されるのは実用的にもありがたい。しかも山形の米はおいしい。
鳥羽市(三重県)の「水道基本料金1年間免除」
鳥羽市は移住者の水道基本料金を1年間免除。金額としては年間1〜2万円程度ですが、「生活インフラのコストを下げてくれる」という姿勢が伝わります。
住まい・不動産のユニーク制度
生駒市(奈良県)の「恋文不動産」
生駒市は「恋文不動産」というユニークな空き家活用プロジェクトを運営しています。空き家の所有者と住みたい人をマッチングするのですが、その過程でお互いに「手紙」を交換するという仕組み。
単なる不動産取引ではなく、「この家に住みたい理由」「この家への思い」を手紙で伝え合う。空き家を「ただの物件」ではなく「思い出がある場所」として扱うアプローチが面白いです。
米原市(滋賀県)の「恋する空き家プロジェクト」
米原市も「恋する空き家プロジェクト」という名前で空き家活用を推進。空き家に「恋する」というコンセプトで、物件との出会いを演出しています。生駒市といい米原市といい、空き家に「感情」を持ち込む自治体が増えているのが面白い傾向です。
市有地の無償貸付
常陸太田市(茨城県)は市有地を無償で貸し付ける制度があります。土地代ゼロで住宅を建てられるという、かなり思い切った施策です。
子育て・教育のユニーク制度
四国中央市(愛媛県)の「紙おむつ無償支給」
四国中央市は日本一の紙産業の町。その強みを活かして紙おむつを無償支給しています。地場産業を子育て支援に直結させた、四国中央市ならではの制度。
明石市(兵庫県)の「5つの無料化」
明石市は全国的に注目されている「5つの無料化」を実施。
- こども医療費無料
- 第2子以降の保育料無料
- 中学校給食費無料
- 公共施設の遊び場無料
- おむつ定期便(見守り付き)
他の自治体が「1つの制度を手厚くする」のに対し、明石市は「5つを同時にやる」ことでパッケージとしてのインパクトを出しています。
真岡市(栃木県)の奨学金返還支援
真岡市は奨学金返還支援最大200万円。若い世代の移住を促すために、奨学金の返済負担を軽減するという発想です。
就業・起業のユニーク制度
飛騨市(岐阜県)の「さるぼぼコイン」
飛騨市は移住者に地域電子通貨「さるぼぼコイン」で奨励金を支給。地域内での消費を促す仕組みで、移住支援と地域経済の活性化を同時に実現しています。
佐賀市のIT企業サテライトオフィス誘致
佐賀市はIT企業のサテライトオフィス誘致に成功。テレワーク移住者だけでなく、企業ごと移住してもらう戦略です。
移住ブランディングが秀逸な自治体
制度そのものではありませんが、移住の「売り方」がうまい自治体も紹介します。
| 自治体 | ブランド/ポータル名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 高知県 | 高知家 | 県全体を「大家族」に見立てたブランディング |
| 岐阜県 | ふふふぎふ | 名前だけで笑顔になれるネーミング |
| 西条市(愛媛県) | LOVE SAIJO | 住みたい田舎ランキング全国1位の実績 |
| いすみ市(千葉県) | — | 8年連続ランキング1位という実績がブランド |
| 綾部市(京都府) | 移住立国あやべ | 「立国」という大胆な宣言 |
調べてみて分かったこと
- 地場産業を活かした支援がユニーク。 紙おむつ、米・味噌・醤油、電子通貨
- 空き家に「感情」を持ち込む自治体が増えている。 恋文不動産、恋する空き家
- 明石市の「5つの無料化」はパッケージ力。 1つでは普通でも5つ揃うとインパクト
- 奨学金返済支援は若者向け移住の新潮流。 学生ローンを移住動機に変える発想
- ブランディングの巧みさが移住者数に直結。 高知家、LOVE SAIJO
792市を調べていて一番楽しかったのは、こういったユニークな制度に出会う瞬間でした。「この町はこんなことを考えているんだ」と、制度から自治体の個性が見えてきます。
※ この記事は個人の調査に基づくものです。制度の詳細や最新情報は、必ず各自治体の公式ページでご確認ください。 ※ 調査データは2026年4月時点のものです(47都道府県792市)。